自己破産の件数が89年には約9400件だったのに、
バブルがはじけた92年には約43,000件と4倍になり、
規制緩和や金融機関の再編成など
金融ビッグバンが始まって98年には10万件を超えました。
自己破産件数が不況によって
膨れ上がったことは明らかでしょう。
しかし金融ビッグバンは、近世から続く日本人の
金銭感覚を変えざるを得ない変革だという指摘があります。
江戸時代には幕府や藩がすべてを仕切り、
明治以降は政府が方針を決めて、国民は従うのみでした。
銀行は大蔵省の管轄下で横並びの業務しかできず、
国民にとってはどの銀行を選んでも大差なく、
地道に定期預金するしかなかったのです。その代わり、
政府が銀行を守り、
つぶれる心配がないので安心して預けられました。
ところが、現在では銀行といえども破綻する危険があり、
金融商品も低利の元本保証商品だけでなく、
高利だけれどリスクのある商品も数多くあり、
自己責任で金融機関を選び、金融商品を選択して
資産形成しなければいけない時代になっています。
金融商品についての知識、クレジットローンの管理など、
基礎的な金融教育を受けていなかった人たちも、
自己責任で判断しなければいけなくなったのです。
牧場で飼われていた羊が、牧用犬も羊飼いもいなくなって
柵から放り出されたようなものと言えます。
となると、景気が回復するかどうかに関わらず、
悪徳商法にひっかかって多額の債務を
負う人や資産運用の失敗などによる自己破産も
増えてくるのではないでしょうか。
借りたお金は返すのが当然で、
借金の棒引きは本来あってはならないことです。
しかし、このような過渡期に、最終的な
セーフティネットとしての自己破産制度は
必要性を増しているのかもしれません。
提供:株式会社FP総研
テーマ : 自己破産の相談・手続きほか借金苦救済制度と消費者金融の融資について - ジャンル : ファイナンス